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2007年10月11日

ウイスキーセミナー@ホテルオークラ神戸

10月8日に神戸のホテルオークラで行われた「ウイスキーセミナー」に参加してきました。
講師は、サントリー山崎蒸留所チーフブレンダーの輿水精一氏。

「レクチャー」と「テイスティング」「ブレンド体験」の順で行われました。

「レクチャー」は、ウイスキー作りに関する簡単な説明が主で・・・ウスケバのみなさんにはちょっと物足りない内容だと思われますので割愛。

「テイスティング」は6種。

奥左:白州18年 奥中:ミズナラ原酒 奥右:響 21年
手前左:山崎18年 シェリー樽原酒 手前中:山崎18年 手前右:白州18年 シェリー樽原酒

蒸留所やボトラーでウイスキーの品質に責任を持っている方の解説を聞きながらテイスティングするのは、私にとってはとても有益なことです。解説を聞くことによってウイスキーの印象が「誘導される」こともありますが、それは逆に、自分の香味判断の基準の微調整にもなります。


「ブレンド体験」では、白檀を思わせる香りでわずかにドライなミズナラ原酒(15mlほど)に、かなり強烈に燻製香がするスモーキー原酒をわずか一滴だけ垂らす、というもの。
けれども、たったそれだけで全く印象が変わりました。ミズナラ原酒に輪郭が表れてきました。これには正直、驚かされました。良く言えば「広がりがある」悪く言えば「捉えどころが分かりにくい」ミズナラ原酒が締まってしっかりした感じになり、特徴もハッキリとしてきました。
私は、さらにもう一滴だけスモーキー原酒を加えてみたのですが…とたんにスモーキーさに支配されてしまい、ミズナラも台無しになってしまいました。ブレンドは実に微妙なんですね。


その他、セミナー中に輿水さんが話されたことで、興味を感じたものをいくつか書いておきますと。

  • イギリスの酒類国際コンペティション第12回「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ2007」で、響30年が最高賞であるトロフィーをジャパニーズ・ウィスキー部門で受賞しました。同じくブレンデッド・スコッチ・ウイスキー部門では、バランタイン30年が受賞しました。そして、モルト・ウイスキー(Distillers Scotch Whisky)部門では、なんとシングル・モルトを抑えて、ヴァッテッドのフェイマス・グラウスのモルト・ウィスキー30年が受賞しました。このことは、スコットランドの蒸留所にはショッキングな出来事だったようです。前週の授賞式にも出席しましたが、『ジャパニーズとアイリッシュがいいウィスキーを作るようになってきている。スコッチもうかうかしてはいられない』というようなことを総評で言っていました。


  • スコットランドのブレンダーは、スコットランドで生産されたウィスキーであればどこの蒸留所のものでも自由に使えます。例えそれが、グループ会社の蒸留所のものでなくても、です。けれども日本ではそうは行きません。例えば、サントリーがニッカの樽を使うなんてことは、今の商習慣では絶対にありえません。


  • (この話を受けて、参加者から質問)
    質問:サントリーで作ったウィスキーを、ブレンドに使いたいからと購入したスコッチのブレンダーはいますか?
  • スコットランドでは法律があり、スコッチ・ウイスキーにはスコットランド以外の国で生産されたウィスキーを使うことはできません。けれども、スコッチ・ウイスキーという言い方はせずに、サントリーを使ったウイスキーを作りたいという話はあります。


  • ミズナラの木は、10cm太くなるのに30年かかります。樽にできるくらいに育つまでには200年近くかかります。ですので、サントリーでは「200年計画」と言って、毎年、確保できている(ミズナラの木の)200分の1しか伐採して使いません。


  • シェリー樽熟成用に使う樽は、スペインで作っています。樽を作った後、その樽をシェリー酒メーカーに貸し出してオロロッソを3年間寝かせてもらってから、空にして日本に運んできます。
    樽を作る過程で内側を焼くのですが、その焼き加減も熟成に影響を与えます。日本の樽職人だと、この焼き具合も「きつね」「たぬき」と呼んで加減ができます。けれども、スペインの樽職人は、この焼き加減を調整できない。彼らは、木を曲げるためだけに樽を焼いているからなんです。


  • 樽の中のモルトは、天使の分け前として年に2、3%ほど減りますが、20年経つと半分くらいに、50年くらい経つとほとんどなくなってしまいます。サントリーでは、20年くらい熟成された樽の中から、さらに長期熟成させたいウィスキーを選んで、それらを集めていい樽に移し変えて、熟成を続けるという手間をかけています。スコットランドの蒸留所ではこんな面倒なことはしませんね。





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この記事へのコメント
>barlay様
素晴らしい記事ですね…っ!凄いですね…っ!(@_@;)
やはり 〔響30年〕は飲んでおかないと…っ!
Posted by kawakita at 2007年10月11日 03:28
barley 様
楽しそうなセミナーですねぇ
私もそういうセミナーに参加したいなぁ
それにしても、ブレンドってホントに繊細なんですねぇ(^^)
Posted by モルト大好き at 2007年10月11日 07:09
barleyさん、こんにちは。
素晴らしいセミナー!涙がちょちょ切れそうです…。
日本の職人に感謝していたら、ジャパニーズを飲まずにはいられませんっ!
参段さんもしかり、ブレンデッドの素晴らしさを再確認ですね〜。
Posted by katotomo at 2007年10月11日 08:56
>barlay 様
感激のレポートです!!
このセミナー参加しようかどうしようか迷っていたのですが、レポートを拝見して「あ~参加しておけばよかった」になってしまいました。(残念無念)
輿水さんのセミナーだったので、人気も凄かったでしょうね。
あらためて、ジャパニーズ・ウイスキーのレベルの高さを認識しました。
職人魂ですね。
Posted by browne at 2007年10月11日 12:45
> kawakita さん、こんにちは

このセミナーを受講して、「響」が国際的なコンクールで受賞しているのは、サントリーでウィスキーに携わっている人たちの工夫と努力と伝統、そして、ウィスキーをとても大切に扱っている姿勢によるところが大きいんだろうな、と感じました。
改めて「響30年」飲んでみたいと思いました。



> モルト大好き さん、こんにちは

とても楽しいセミナーでしたし、得たものも多かったです。
参加費の一葉さんは、場所も考えると、十分にその値打ちがあったと思います。
ただ、私の場合は、ミズナラ原酒1杯分をダメにしてしまいましたが (x_x)



> katotomo さん、こんにちは

思わず私もサントリーのファンになってしまうところでした(笑) けど、少なくとも、サントリーのウイスキーは決して割高ではない、ということだけははっきり解りました。

ブレンデッドの話は…鳥井信治郎と竹鶴政孝の違いも交えつつ、いつか記事を書ければと思います。



> browne さん、こんにちは

参加されていたのは全部で20名ほど(満席)の老若男女でしたが、その多くは、これからウィスキーを好きになっていく方々だったようにお見受けしました。私も輿水さん目当てで参加したのですが、マニアックな質問はちょっと憚られました...
ただ、記事にも書きましたが、解説を聞きながらのテイスティングはとてもよかったです。

サントリーのウィスキー作りには、日本人のDNAに刻まれた職人気質のようなものをひしひしと感じました。
Posted by barley at 2007年10月11日 13:56
barleyさまご無沙汰しております。
しばらくお休みしていましたが、少し前に復帰いたしました。
今日はそのご挨拶にまいりました。
最近お姿をお見かけしないので、きっとお忙しいのだろうなぁと思っています。
お体お大事にです。またゆっくり、楽しくも勉強になる記事を楽しみにしています。
本記事と関係なくてすみません。
Posted by PINOKO at 2007年10月27日 03:21
PINOKOさん、

回復されたご様子、我が事のようにうれしいです。

私はと言えば、お察しの通り、仕事に忙殺されております。会社が年度末の上に、予期せぬ問題が立て続けに起きてしまいました。
10月15日からずっと不休で寝る時間も十分に取れず、ひたすら働いてます。「ウスケバ」よりも眠りたい…という日々が続いています。

が、問題も収束しつつあって、もうあと一息です。
11月になったら、また他愛も無い記事をポツポツと書けると思います。
そのときにはこれまで同様に、いえ、これまで以上によろしくお願いします。
Posted by barley at 2007年10月30日 00:13